小田原市鴨宮に延びる斜めの道=水道道=
地図を眺めていると不可解な道や地形を発見することがある。
たとえば区割りを無視してまっすぐに伸びる小道とか。
謎の道
小田原市の鴨宮付近の地図を眺めていると、線路沿いから酒匂川に向かって一直線に伸びる道があるのに気づく。
他の道路が比較的お行儀良く東西・南北に走っているのとは対照的だ。
始点と終点に何も無いことや、道の距離がほんの3Km強であることを考えると、バイパスとしての役割と担っているとも思えない。
そのそもGoogle Streat Viewで見る限り非常に細い道で、交通インフラとしての役割はほとんど果たしていなさそうだ。
異端な道の通行人は水だった!
この道の正体は以下のブログで知ることができた。
どうやら、国立印刷局小田原工場は用水を専用の水道を使って酒匂川から取水しており、その水道の上に道路も作られている、ということらしい。
実際に行ってみた
南端からスタートする。
地図上で見ると特徴的な道だが、地上から見ると何の変哲も無い生活道路だ。
だが、道路沿いには印刷局の杭が打ち込まれており、この道が特殊な道であることを主張している。
ちょっと分かりづらいが、ここは橋になっており、川を渡っている。
川を渡るので導水管も地上に現われている。
鴨宮の商業施設が沿道に立ち並ぶ巡礼街道とも斜めに交わる。
片側2斜線の大通り、県道717号線とも斜めに交わる。
大通りだろうと水道道の進路を変えることはできない。
どこまでも我が道を行くのだ。
県道711号線の前後の区間は歩行者専用道路になっている。
いよいよクライマックス。
もはや舗装もされておらず、ただの土手だ。
ここが水道道の北端だ。
敷地内には建屋があり、取水設備と思われる。
今回の散策で、印刷局の杭や導水管など、この道が水を運ぶ目的で作られたことを示す痕跡を見つけることができた。
しかし、なぜ最短経路で酒匂川にアプローチしなかったのか、いまだに現役なのか、など謎は残る。
印刷局の見学会にでも行けば分かるだろうか。